成人の50人に一人はこの状態になっており、一生の間に1度でもこの状態になったことのある人の数は、この倍になると言われています。
何時間も「手を洗う」ような、無意味な行為を行ったり、交通事故が起きていないことを確かめるためにひとつの所を車でうろうろするなど、そうしたものが強くなりすぎた場合に強迫性障害と診断されます。
即ち、強迫性障害になると、特定の考えや衝動(したくなったら、止められない行為)が頭にこびり着いた状態になって、それを消し去ることが出来なくなります。
患者さん自体はそれらの症状の状態を、精神的な『しゃっくり』のようだと、表現する人もいます。
強迫性障害は情報処理がうまくいかなくなる脳の医学的障害です。
強迫性障害は患者さんの責任ではありませんし、「弱い」性格や「不安定な」性格に原因がある訳でもありません。
近年、薬物と認知-行動療法が登場し、治療は飛躍的に伸び、患者さんは救われました。
治療によって、完全に治癒する患者さんは一部分にすぎませんが、強迫行為や強迫観念から解放され、人並みの生活ができるようにすることができるようになりました。
| 【シリーズに登場する主な項目】
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・どんな症状があるのでしょう?
・間違われやすい障害は何でしょう?
・どんな治療法があるのでしょう?
・精神療法って何?
・支援組織ってあるの? |
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| ■強迫性障害OCDの症状にはどんなものがありますか?
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【強迫性障害の典型的な症状】
| 主な強迫観念 |
主な強迫行為 |
| 細菌、汚れなどに対する汚染恐怖 |
手洗い |
| 自分や他人に危害を加えるのではないかという観念 |
反復思考 |
| 攻撃的衝動によって自分をコントロール出来なくなるという観念 |
確認 |
| 侵入的な性的思考や性的欲求 |
接触 |
| 宗教または道徳に対する過剰な不信感 |
數数え |
| 一般にやってはならないことを考える |
整理/整頓 |
| 物事を「そのままに」しておきたいという要求 |
ためこみまたは倹約 |
| 話したり質問したり、告白したいという要求 |
祈り |
強迫性障害の患者さんは普通は、強迫観念と強迫行為という2つの症状を持っていますが、どちらか一方しか見られないこともあります。
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1) |
強迫観念とは、繰り返し涌いて来て、自分では止められない考えやイメージ、衝動のことです。
本人は好き好んでこうした考えを抱いている訳ではなく、心が乱され、煩わしく感じていますし、無意味であると認識している場合も少なくありません。 |
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2) |
強迫行為とは、強迫観念を取り払うためにあう行為を繰り返し行います。一定の規則に従って行動することが多く、そのために儀式化されている様に見えます。それによって安心ができるからで、かえって、止められなくなってしまっていることもあります。 |
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| ■強迫性障害OCDは何歳頃発症しますか?
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就学前の幼児から、成人まで、いつでも発症する可能性があります。3分の1あるいは半数の人が子どもの頃に発症したといいます。しばしば気付かないうちに進行していきます。
強迫性障害の患者さんは正しい診断を受けるまでに、平均して3〜4人の医師の診察を受け、9年もの歳月を要していると言うデータがあります。それからでも色々迷いがあり、平均で17年経ってようやく、本格的治療が受けられるようになると言われています。
早期診断と適切な薬物、精神療法による早期治療をうければ、強迫性障害に伴う苦痛を避けることができるし、抑うつに陥ったり、結婚や仕事に関する問題が生じる危険性から解放されるのです。
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| ■強迫性障害は遺伝しますか?
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特定の遺伝子はまだ確認されていませんが、これまでの研究からは、病気の発症に遺伝子が関与している症例もあるのではないかといわれています。特に小児期に発症する(ときにチック障害をともなうもの)などは遺伝性の可能性が高いと思われています。
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| ■強迫性障害の原因は何ですか?
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原因について証明されたものは一つもありませんが、これまでの研究では、脳の前部(眼窩皮質)と深部の組織(大脳基底核)との間の連絡に問題があるのではないかと言われています。これらの脳の組織ではセロトニンという化学伝達物質が働いていますが、強迫性障害ではこのセロトニンが不足していると考えられています。
このセロトニンの脳内濃度を上げる薬がSSRI(選択的セロトニン再取込み阻害剤)といい、最近日本で発売されました。
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| ■間違われやすい障害は?
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抜毛癖、 身体醜形障害、 皮膚キッピング(ツマミ癖)、
薬物乱用、 病的賭博、 チック障害、 抑うつ状態、
心的外傷後ストレス障害、 精神分裂病、 妄想障害、
学習障害、 自閉症、 自閉的精神病質など
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