ごあいさつ



私達が、日常の生活を営んでいるわけですが、箸を使って御飯を食べるのも、ズボンを前後ろ間違わなく足を入れ、引き上げて履くのも、実は脳の働きが有るからです。このように脳には、体の働きを調節(制御)する仕事もしているのです。これらを運動機能の制御といいます。
もうひとつの仕事は、どうしようかと考えたり、悲しいと考えたり、覚えたり、計算をしたり、判断をしたりするなども脳の仕事なのです。これらの部分の働きを、精神機能の調節といい、「精神」と言うものは、この脳の働きから生れて来るのです。
この精神機能は、覚えたり、経験したりしたものを応用していく能力を高め、日常生活の上で、日々上達したり、うまくなっていったり(学習効果が上がるといいます。)便利さが増して来ます。ものを上手に作れるようになり、色合いも考え、出来栄の良いものを一生懸命になって作ったとします。その脳の働きが作り上げたもの(作品)を見た人は、『こころがこもっている』とか『こころが洗われるようにきれい』とか褒めてくれたり、感動してくれるかも知れません。このことから、『こころ』は脳の『精神機能』という働きのなかで生れて来るものだと理解して頂けたと思います。
学習した事柄が、すべて日常の生活の中でうまく行くとは限りません。あることが切っ掛けになって、職場の雰囲気が自分に合わないと感じたり、他の人が自分を変な目で見ているように感じたりするようになって、職場に楽しく行けなくなったり、友だちが急に自分に冷たくなって、他の友だちと、仲良くしている。あたかも自分に当てつけていると考えはじめたら、そのことがいつも頭から離れなくなって、なんでそうなったか考えていると、イライラして来て、勉強がおろそかになるけど、気になってたまらない。その他物覚えが悪くなったことが気になって、眠れなくなったなどの心配ごとは良く起こる心の問題です。これらは脳の精神機能が正常に働いていない結果ですから、精神科が担当する問題なのです。
ですから、当院を訪れる方は、必ずしも病気になってしまった方ばかりではありません。むしろ、なるべく早く、お出でになる方が良い訳です。決して精神科は敷居が高いところではありません。
それに、薬剤を使用する場合もありますが、精神療法が主な治療法の場合も、多いのです。



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